【今回のご質問】婚約相手に浮気されました…
1年付き合っていた彼女と婚約し、両親のあいさつも済ませ、結婚式場も予約していました。
あとは籍を入れるだけ、という段階で、彼女と同居を始めたのですが、彼女が夜に家の外に出て電話をするのが気になり、その内容をコッソリ聞いたところ、なんと、別の男性と話をしていることが分かりました。
婚約者のことも許せませんが、交際相手の男性が一番許せません。
この男性に対して、慰謝料を請求することができるでしょうか。
【弁護士としての回答】しっかりとした準備が必要です。慌てて行動してしまったら、請求できるものが請求できなくなってしまうかもしれません。
慰謝料請求の条件
婚約者が別の男性と電話をしているだけでは、慰謝料を請求できるわけではありません。
慰謝料を請求するためには、以下の3つの条件が必要であると言われています。
■慰謝料請求の条件
・婚約が成立していること
・婚約者が不貞行為をしていること
・不貞行為者が、婚約者に婚約相手がいることを認識しえたこと
婚約が成立していること
まずは、「婚約」が成立していなければなりません。
婚約という用語は、法律上明記されているものではありません。
一般的には、「婚約」とは、結婚をするという合意、すなわち、「結婚の申込み」と、「その申込みの承諾」による意思の合致、というものを意味するといえます。
もっとも、単に「結婚しようねー。」「うん!」というような、単なる恋愛感情の中でされるようなやり取りは、「結婚の申込み」と、「その申込みの承諾」による意思の合致とは言えません。
その意思の合致が「法的に保護すべき程度」まで高められているか、が大事になります。
そのため、「婚約」があると主張するためには、お互いに結婚の約束をしていた、というだけではなく、結婚に向けて一般的にするような行動、例えば婚約指輪を送っているか、家族同士の顔合わせは行われているか、式場探しはしているかといったような要素を総合的に主張していくことになります。
婚約者が不貞行為をしていること
また、婚約者が「不貞行為」をしていることも必要です。
代表的なものが、「肉体関係」ということになります。
他方、ただ単に深夜に電話をしているだけでは、「不貞行為」があるとはいえません。
そのため、ご相談者のケースでは、「不貞行為」の証拠を集めないといけないことになります。
証拠として代表的なものは、
・婚約者と不貞相手との間のLINEやメールなどのやり取り
・探偵資料
などになります。
不貞行為者が、婚約者に婚約相手がいることを認識しえたこと
また、交際相手(不貞行為者)に慰謝料を請求するには、その人からみて、婚約者の人に婚約相手がいることを認識していた(故意)か、少なくとも認識することができた(過失)ことが必要です。
結婚している場合と異なり、婚約者の有無というのは、簡単には分からないものです。
そのため、婚約者と交際相手の電話の内容などから、交際相手から見て婚約のことが分かっているか、慎重に判断する必要があります。
慰謝料金額の相場
婚約中に浮気があった場合の慰謝料の相場は、概ね50万円~300万円と言われています。
事情としては、
・婚約破棄の有無
・交際期間の短長
・浮気による妊娠や中絶の有無
・子供の有無
・反省の有無
・その他の実損害の有無(結婚式のキャンセル代・探偵費用など)
などといった要素により変わってきます。
詳しくは、当サイト経由でお気兼ねなくご相談ください。
慰謝料請求は弁護士に依頼すべき
仮に、慰謝料を請求する条件が揃っていたとしても、慰謝料の請求を自分ですることはお勧めしません。
それは、単に慰謝料を獲得するということだけでなく、
・相手への反省を促し、二度と同じようなことが起きないようにする
・確実な合意書を作成する
ということが、弁護士でなければ難しいからです。
また、請求の内容を記載した内容証明郵便だけを、インターネットの見よう見まねで作成して、送付するというケースも多く見ておりますが、こちらもあまりおすすめすることはできません。
やはり、当該郵便の文章の内容が破綻しているなどして、説得力に欠けることが多いからです。
なお、弁護士に依頼すると費用が高いのではとか、赤字になるのではといったご心配もあるかと思いますが、当サイト経由の場合、着手金は頂戴しておりませんので、ご負担なくご依頼いただくことが可能です。※裁判等の手続を行う場合は、別途費用を頂戴いたします。
また、弁護士に依頼をすると、交渉の窓口が弁護士になりますので、当事者同士で直接話をする必要もなくなります。これにより、精神的負担もかなり少なくなります。
【夫婦カウンセラーとしての回答】まずは婚約関係を終わらせるのかどうかをはっきりさせましょう。
ご質問のケースでは、両親へのあいさつも終わっており、家族公認の仲だったのではないかと推察されます。そのような中で、浮気が発覚したとなれば、ご相談者様だけでなく、ご家族も含めた一大事かと思われます。
ただ、婚約関係を継続するか、終わらせて新しい人を探すのか、決めるのはご相談者様自身になります。
継続をするのであれば、二度と同じことが起きないようにどうすればよいか、婚約者との間で協議を重ねることが不可欠でしょう。逆に、終わらせるのであれば、家族への説明をどうするかなどについて、やはり協議を重ねることが不可欠でしょう。
そして、婚約者との間である程度の方向性が見えた段階で、浮気相手に慰謝料を請求しても遅くは無いかと思います。
当サイトでは、婚約者と関係を継続する場合も、終わらせる場合も、どちらもご相談を承っておりますので、お気兼ねなくご相談ください。
まとめ
・婚約者の浮気相手に対して慰謝料を請求できる場合がある
・婚約関係を続けるのか、終わらせるのかをはっきりさせる
・婚約関係で迷う場合も、慰謝料を請求する場合も、一度ご相談を